●内容● 目次より
(
グラビア カラー31P)
はじめに
第1編 富士を見る
1 山から見る富士
全部丸見え/山並みの上にすっきり見える/山並みの上に頭が見える/他の 山と同じ高さに見える
/他の山より低く見える/かすかに見える(「消える
2 山麓から見る富士
★富士の山麓の範囲 (1)概説 (2)麓から見る (3)海岸から見る
3 町から見る富士
超高層ビルから/団地から/工場地帯から/学校から/港から/■富士可視 圏の展望施設一覧
4 乗物から見る富士
(1)鉄道
東海道新幹線/中央線/横須賀線/京葉・内房線/横浜線/八高線/身延線 /西武線/小田急線
/東急線/京王相模原線/相鉄線/富士急行線/岳南鉄道/伊豆箱根鉄道駿豆線
(2)富士の見える駅
富士の見える駅データ
(3)高速道路から見る富士
東名高速道路/中央自動車道/その他の高速道路
(4)飛行機から見る富士
富士を北側から見るコース/富士を南側から見るコース/富士を東側から見
るコース/富士を洋上に見るコース
第2編 富士の見え方にこだわる
1 富士の見える範囲と可視マップ
見える範囲の考えかた−−−限界距離 /「富士隠し」の山のチェック/「富士可視マップ」と「消え富士」
/「富士可視マップ」で探る方面別特徴/最遠望の地/補論 カシミールによる可視マップの作成・利用法
について
2 富士山の形−−−富士山はどこから見ても富士山か
一様ではない富士の山頂/山体の形/傾斜
3 ダイヤモンド富士
ダイヤモンド富士とは?/ダイヤモンド富士マップ/パソコンによるダイヤモンド富士の求め方/「コロコロ
ダイヤ」/富士山頂と太陽が同じ幅になる地域/富士の影
4 富士見地名と富士
富士見地名一覧/東京の富士見坂
第3編 富士を撮る、創る
1 富士を撮る
撮影の前に/シーン別撮影術/富士撮影カレンダー
2 富士を立体視する
立体視の原理/肉眼立体視の方法/立体写真の撮影法・作り方/富士の立体視
3 CGで富士を描く
カシミール/数値地図ビューア
第4編 富士を見続ける
1 富士を観察する人々
FYAMAP富士見日記/南紀熊野から富士山を撮る−−−楠本弘児さん/鳥羽からの富士を追い続けて
/赤城山麓から富士を見続けて25年/成蹊気象観測所の富士観測
2 「富士山の日」と「富士山の広場」会議室
3 インターネットで見る富士
4 古地図に見る富士眺望
5 吉田初三郎の描く富士
6 北斎・広重・貞秀の見た富士
7 切手と風景印に見る富士
8 富士と大学入試
9 ベラン教授と富士
富士山と桜は日本の心?
いつも私のそばには富士山
戦争と富士
●コラム
合目
富士の山麓の範囲
データで見る富士
車窓ワンポイント
超遠望の富士 席の選び方
富士の形
妙法山からの富士山
熊野信仰の地から見る富士山
富士の雪のつき方
私が見た東京からの影富士
富士の立体模型
町田富士見日記
あとがき
データ 富士山を見る文献
著者一覧
●書評が掲載された雑誌 (全文です) 他にもあればお知らせ下さい。
*「地図ニュース」1999年6月号(14ページ)
文句なく楽しい本である。富士山に全く興味が
ないという人は別にして、手近に置いておきたい一
冊とも言えよう。「富士山展望百科」とはいい
題名を付けたものである。暇な時に、目的もなく
百科
事典の頁をめくるのは気楽で楽しい。時には意外な発見をして感激した、という経験は誰でも
持って
いると思う。そんな感じの本である。私に は、百科事典以上に楽しく、かつ、新しい発見が
沢山ある
内容で、大変勉強になった。
豊富な写真は見ているだけでも楽しい。その楽
しみは、数多く出版されている山岳写真集の写真
の場合とは違っている。ただ単に、すばらしい、
きれい、というだけではなく、それぞれの写真が説得
力を持つて「ほら、本当でしょう」とこちら
に問いかけてくる。こちらは、ウーンと領いて納
得する、とい
った感じの楽しみである。
楽しいのは富士山の写真だけではない。この本
はいわゆる写真集ではなく、富士山に関する諸々
を取上げており、これがまた、読者を引きつける
と思う。数多く挿入された適切な図版と表、その
解説
もまた楽しい。平易な文章で読みやすく書か
れているが、内容的には高度なものを含んでいて教えら
れることが少なくない。
これほど多彩で豊富なデータを収集するのは個
人では不可能である。著者は「山と地図のフォー
ラ
ム」編となっているが、パソコンネットワークのフォーラムならではの成果であろう。それにしても、フォー
ラムの中心となり、この本をまとめ上げた監修者には敬意を表したい。実証性とオリ
ジナリティーを大切
にし、あくまでも一般読者を 対象に、という監修者の方針・目的は、ほぼ達成
されているのではなかろ
うか。
展望百科の全てを紹介するのは不可能なので、
主な項目だけを紹介することにしよう。第1編は
『富
士を見る』で、山・山麓・町・乗物から見る
富士、と分けて紹介、実証されている。乗物から見る富士では
更に、鉄道・駅・高速道路・飛行機 から見る富士、に分類され芸が細かい。この編だ
けで富士山展望の
ポイントは掴むことができる。 また、随所に挿入されている富士山に関する各種
のデータも貴重なもので
ある。「富士の見える駅 データ」などは驚嘆に値する。ここには鉄道の路線別に該当する駅が網羅されて
いる。筆者が利用 している西武多摩湖線をみると、駅数7、見える
駅1、国分寺(連絡橋のJR寄りの窓か
ら)とあ る。「富士可視圏の展望施設一覧」は、施設毎に
緯度・経度・海抜高度・開館時刻・入場料金ま
で親切に記載されている。脱帽の外はない。
第2編は『富士の見え方にこだわる」で、富士
の見える範囲と可視マップ、富士山の形、ダイヤ
モンド
富士、富士見地名と富士からなっている。 この編は、理論的考察と現地実証とで解説されて
いて、非常
に興味深い内容である。
第3編は『富士を撮る創る』で、富士を撮る、
富士を立体視する、CGで富士を描くからなって
いる。富士
山を写真で撮る時の留意点、立体写真 の撮り方・見方、コンピュータを使つた数値デー
タによる富士山
の図化法等が解説されている。
第4編は『富士を見続ける』で、富士を観察す
る人々、「富士山の日」と「富士山の広場」、イン
ターネッ
トで見る富士、古地図に見る富士眺望、 吉田初三郎の描く富士、北斎・広重・貞秀の見た富士、切手と
風景印に見る富士、富士と大学入試、 ベラン教授と富士からなっている。この編は富士
山に関わる人々
や事柄の紹介で、読者に強い印象を与えると思う。本誌の読者には「古地図に見る
富士眺望」は特に興
味のある事柄であろう。切手や浮世絵に見る富士の紹介では、自分のほのかな記憶を懐かしく思い出さ
せてくれる。
ほかにも、関連した随所に挿入されたコラムは、
それぞれに著者の思いが込められていて、これも楽し
い。巻末の「富士を見る文献」も、いつかお
世話になりそうで参考になる。
以上が本書の内容と私の読後感の紹介である。
興味を持たれた方は現物で確かめられたい。
(中村六郎)
*「地理」1999年5月号(104ページ)
待望の本が出版された。以前の『展望の山旅』(実業之日本社、続・続々もあり)は山頂からの紹介
が中心で、登山をしない人にはあまり身近ではなかった。これに対して本書は、富士山に限定しては
いるものの、町などから得られる眺めが中心で、多くの人に親しみやすい内容となっている。
本書は全体で四編から構成されている。第一編「富士を見る」では、山・山麓・町や、鉄道・駅・高速
道路・飛行機といった交通機関およびその施設から見える富士山が紹介されている。第二編「富士の
見え方にこだわる」では「富士見」地名の分布や、富士山の見える範囲を紹介している。後者のうちの
「富士隠しの山」などは数学の問題としてもおもしろい。遠方から見れば水平だとばかり思っていたの
だが、富士山の山頂部の形は見る位置によって異なることや、北斎と広重の富士山の描き方の違い
も興味深い。なお、富士山の東側に雪が多く付いているのは、富士山の降雪の主因である南岸低気
圧に吹き込む東寄りの風によって降雪がもたらされるためだと評者は考えている。
第三編「富士を撮る、創る」では、富士山の写真の撮り方やコンピュータグラフィック(CG)や立体視
によって富士山を見る方法が述べられている。CGや立体視の方法も親切に述べられ、これらを趣味
にしている読者にはたまらない内容であろう。ただ、写真の撮影場所あんどの詳しいデータは欲しい
ところである。
第四編「富士を見続ける」では、伊能忠敬作成の地図で描かれた富士山などが紹介されている。
富士山の見えた日数は、かつて野本真一氏によりまとめられた視程の研究にも通じるものがあり、
本書の内容を単なる啓蒙書にとどまらないレベルまで高めている。
分冊にし、読者の関心に応じて選べるようにすれば、第一編におTくに興味をもつ読者にはより入
手しやすかっただろう。また判を大きくし、写真も数を増やすか大きくした方がよかった。一部不鮮明
な写真もあるが、本書のままでも、富士山の見える所に住み、富士山を見ながら移動する人には十
分楽しめる。執筆者各位の努力に敬意を表するとともに、多くの人に読まれることにより、いつも利用
している小田急線の先頭車両が混雑することを評者は恐れている。
<湘南国際女子短期大学・仁科淳司>
*「地理月報」第449号(1999年4月20日発行)(21ページ)
富士を見る、という点に絞って、様々な話題・情報・地図・写真・データを集めた本である。
「山と地図のフォーラム」は、オンライン情報サービスのニフティサーブの集まりで、打ち合わせから
原稿作成までネットワークを最大限活用した。巻頭カラーグラビアには、10頁を使って、超遠望の地か
らの富士の写真がある。これだけでも貴重な資料となろう。コンピュータグラフィックス画像も多数収録
してある。
第1編「富士を見る」Dは、山や町からどのように富士山が見えるかを具体的に紹介した。面白いの
は鉄道の路線ごとに富士が見える駅を整理したこと。第2編「富士の見え方にこだわる」では、全国の
富士見地名一覧表を作成した。こうしたデータが本書の特徴の一つだ。その第2編では、数式や地図
を使い、富士山の見える限界を詳細に説明している。自然地理的説明もある。
第3編「富士を撮る、創る」は、富士の撮影のノウハウとパソコンによる富士画像の描き方の説明。
第4編「富士を見続ける」は、富士の観察、撮影、描画にこだわり続けた人々についての紹介。エッ
セイ風の内容から古地図についてまで話題豊富だ。地理の授業にも色々活用できるものと思う。
*「山の本」第27号(1999年4月15日発行)(119ページ
)
富士山は、言うまでもなく日本の最高峰ではあるが、その肩書きだけが多くの人をして富士に執着、
あるいは愛着を持たせているわけではあるまい。かなり広い範囲から眺めることのできる端正な姿は、
巨視的に見てどこからでもほぼ同じ山容をしている。だからこそ、日本における景観の代表として広く
認知されているのであろう。
本書は、車窓や実際の山からの眺めを、様々なアイデアにより検証する。のみならず、コンピュータ
グラフィック、遠距離からの撮影、「富士見」地名研究など、富士への強い執着心が生み出した成果が
収められている。
「富士を見る」ということに関しては、何でもありといったところである。
<中島素一>
*「旅行読売」1999年4月号(238ページ
)
ダイヤモンド富士をご存じですか。
ちょうど、富士山頂から太陽が出たり沈んだりする瞬間で、稜線に光り輝くような光彩が見られる。
実際に見られる場所も季節も限られるが、本書の巻頭の日本地図には、この可能位置が放射線状
に記されている。
富士山が全国どのあたりまで見られるのかという可視マップもある。三重県阿児町から望む海上の
「浮き富士」や同じく三重県の二見浦の真ん中の「ダイヤモンド富士」の写真も紹介されている。
つまり、富士山の何でも百科なのだが、こんなにも富士山のことについてテーマがあるのかと驚か
される。
*日本国際地図学会機関誌「地図」37卷(1999年)号 (4月発行)
富士山は日本の山岳展望の中心。どこから、どのように見えるかがいつも話題となってきた。地図
富士山についての本,写真集は沢山出版されているが,富士山を見る,眺めるという点に絞って,
様々な話題・情報・地図・写真・データを集めたユニークな本である。
オンライン情報サービスのニフティサーブ「山の展望と地図のフォーラム」が開設4周年を記念して発
行したもので,コンピュータグラフィックスやパソコンソフトの紹介をはじめ,パソコンネットワークの団体
ならではの内容を随所に盛り込んでいる。
巻頭カラーグラビアでは,10頁を使って,超遠望の地からの富士山の写真を20数点載せた。最遠望
は323km離れた和歌山県那智妙法山。こうした超遠距離からの富士山の写真は,「芸術写真」にはな
りにくいため,これまで写真集に掲載されることはほとんどなかった。これだけでも貴重な資料となろう。
コンピュータグラフィックスによる画像も,実際には在り得ない視点からのユニークなものである。地図
化したものでは,富士山が見える地域を描いた「富士可視マップ」が見開きで掲載されている。富士山
頂から太陽が出る(沈む)「ダイヤモンド富士」が見える地域の地図も面白い(解説は第2編にある)。変
わった主題図の例示ともなろう。
第1編「富士を見る」は,山や町からどのように富士山が見えるかが具体的に紹介されている。一番
分量の多いのが鉄道から見る富士山。ユニークなのは,路線毎に富士山が見える駅を整理し11頁に
わたってリストアップしていること。第2編「富士の見え方にこだわる」では,4頁使って全国の富士見
地名一覧をぎっしり記載している。こうしたデータが本書の特徴の一つである。
この第2編では,数式や地図を使い,富士山の見える限界を詳細に説明している。また,どこから見
ても同じように見える富士山の形が,実は方面によって随分異なることを地学的な視点も交えて説明し
ている。
第3編「富士を撮る,創る」は,豊富な実例をもとに富士山の写真撮影の説明と,パソコンソフトによる
富士画像の描き方の説明。視点をかえて撮影した「立体視」についての解説と作品例も面白い。
第4編「富士を見続ける」は,富士山の観察,撮影,描画に拘り続けた人々についての紹介。エッセイ
風の内容から古地図についてまで話題豊富だ。
執筆には監修者以外に本学会会員が何人か加わっており,地図を意識した記述も心がけている。
*「岳人」1999年3月号(110ページ
) (1999.2.15記載)
富士山は日本の山岳展望の中心。どこから、どのように見えるかがいつも話題となってきた。地図
と写真で証明されてきた展望世界が劇的に変わったのはパソコンが登場してからだ。ニフティサーブ
の「山と地図のフォーラム」に集う仲間によって富士山の展望に関する謎が一気に解かれたといえる。
本書では、山麓、町、鉄道から見える富士山、見え方の範囲とその形の変化など、フォーラムで今ま
で明らかにされてきたテーマがまとめられている。
目をひくのはカラー写真も使った超遠望の富士山。山頂から太陽が出る(沈む)さいに見られるダイ
ヤモンド富士の時期と場所のデータなど、マニア垂涎の最新情報がつまっている。富士山をめぐるテー
マは出つくしたように思われるが、まだ実証されていない部分もあるという。たかが富士、されど富士
山。富士山をめぐる話はまだまだつきないようだ。
*「しんぶん赤旗」1999年2月8日 第9面 出版レーダー(1999.2.14記載)
富士山の見え方
富士山はどこからどのように見えるのかということにこだわり、科学的・実証的にまとめたユニーク
な一冊が刊行されました。田代博監修、山と地図のフォーラム編『富士山展望百科』(実業之日本社
・2200円)です。
「山から見る富士」「町から見る富士」「乗物から見る富士」をはじめ、「富士の見える範囲と可視マ
ップ」をはじめ、実地調査をもとにまとめています。全国にある「富士見」地名の収録や、五分おき、
十分おきのライブ映像が見られるインターネットのホームページの紹介などもしています。
*「ラパン」1999年3月号(10ページ ) (1999.2.7記載)
富士山をどう見るか 尽きない魅力が満載
写真や絵画はいうにおよばず、さまざまな観点から描かれ、語られてきた富士山。富士山をテー
マにする本も多数出版されてきたが、最新のコンピュータ技術の成果も踏まえて「どこからどのよう
に見えるのかということを科学的、実証的に」検証した本はなかった。
そこで登場したのがこの「富士山展望百科」である。作ったのは本誌でもおなじみのパソコン通信
グループ「山の展望と地図のフォーラム」(FYAMAP)。監修には当フォーラム代表で「田代先生の楽
しい地図教室」を連載している田代博さんが当たっている。
内容は「他の山から」「山麓から」「町から」「乗り物から」など、さまざまな地点からどのように富士
山が見えるかを紹介する他、最遠望の地を実証した可視マップの話題、コンピュータを利用した富
士の描き方、富士見地名の研究、富士山を各地で観察し続けたデータなど盛りだくさん。四周年目
を迎えたFYAMAPの集大成ともいえる注目の富士山本である。
(カットのカラー写真は、表紙と、カシミールによる駿河湾上空15000mからの富士山の画像)
*「山と溪谷」1999年2月号 (212〜213ページ
)
富士山はアイドルである。いつも笑顔で、表情豊か。親しみやすいけれど、しかし、けして手の
届かない存在・・・あらゆる人の心を魅了する富士山の、熱心な「親衛隊」であるにちがいない人
たちの手で、本書はまとめられた。
とにかく常に富士山の姿を探している。ニフテイサーブのフォーラムに集う同好の士によって集
められた富士のビューポイントは、山や山麓からのものはもちろん、山手線の乗車区間から(もち
ろん証拠写真つき)、はたまた、はるか和歌山や奈良からでも(貴重な超望遠ショットつき)。
こんなところからでも見えるのか、という驚きとともに、そんなところから姿をとらえようとした人
びとの熱意に脱帽。科学性、実証性を重んじる本書に掲載された写真の数々は、その一瞬のた
めに、地図やコンピュータでシミュレートされ、さまざまな条件を持ってものにされた傑作も多い。
見るだけでなく、ダイヤモンド富士、富士隠しなど、見え方に対するこだわりや、CGを駆使して
富士の姿を描くなど、さまざまな富士との関わり方も紹介。富士山、もはや「逃げも隠れもいたし
ません」と笑いながら観念していることだろう。
(大羽タキ)
*「ダカーポ」414号(1999/2/3)
最新号(130ページ )
富士山がどこからどのように見えるかを徹底的に調査した本。インターネットなどで同好者が情
報交換し、山から、町から、乗り物からと富士山の見え方をガイド。また長期間、富士山を観察し
つづける富士山マニアのデータも公開。専門家向けではなく、あくまでも富士山好きが協力してつ
くりあげたこだわり
の一冊。
●書評原稿 (これは何かの際に使えるよう監修者自らが書いたもので、
上記書評とは関係ありません。念のため(^^;))
富士山についての本、写真集は沢山出版されているが、富士山を見る、眺める
という点に絞って、様々な話題・情報・写真・データを集めたユニークな本である。
オンライン情報サービスのニフティサーブ「山の展望と地図のフォーラム」が開設
4周年を記念して発行したもので、コンピュータグラフィックスやパソコンソフトの紹
介をはじめ、パソコンネットワークの団体ならではの内容が随所に見られる。
巻頭カラーグラビアでは、10頁を使って、超遠望の地からの富士山の写真を20数
点載せている。最遠望は322km離れた和歌山県那智妙法山。これはギネスもので
あるという。こうした超遠距離からの富士山の写真は、“芸術写真”にはなりにくいた
め、これまで写真集に掲載されることはほとんどなかった。これだけでも貴重な資料
となろう。コンピュータグラフィックスによる画像も、見事な出来栄えである。
第1編「富士を見る」は、山や町からどのように富士山が見えるかが具体的に紹介
されている。一番分量の多いのが鉄道から見る富士山。ユニークなのは、路線毎に
富士山が見える駅を整理し11頁にわたってリストアップしていること。第2編「富士の
見え方にこだわる」では、4頁使って全国の富士見地名一覧をぎっしり記載している。
こうしたデータが本書の特徴の一つである。
この第2編では、数式や地図を使い、富士山の見える限界を詳細に説明している。
また、どこから見ても同じように見える富士山の形が、実は方面によって随分異な
ることを地学的な視点も交えて説明している。富士山頂から太陽が出る(沈む)「ダイ
ヤモンド富士」と呼ばれる興味深い現象についての解説もある。
第3編「富士を撮る、創る」は、豊富な実例をもとに富士山の写真撮影の説明と、
パソコンソフトによる富士画像の描き方の説明。視点をかえて撮影した「立体視」
についての解説と作品例も面白い。
第4編「富士を見続ける」は、富士山の観察、撮影、描画に拘り続けた人々につい
ての紹介。エッセイ風の内容から古地図についてまで話題豊富だ。
監修者が高校教員だからか、学校にちなむ内容も沢山ある(学校から見える富士、
大学入試問題と富士、校歌と富士など)。中学・高校の総合的学習の資料としても
役立てることができるだろう。
残念ながら絶版です。ネットでは見つかる可能性があります。
2007年12月追記